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「神鳴りの来訪~前編」

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「きっと自分は、死んだにちがいない・・・・」

と、そう思わざるを得ないほどの出来事に、二度遭遇した事があります。

そのうちの一つをこのブログにて書き記そうと思います。

その当時、僕は建築関係の仕事に就いていました。

その日は、一人で屋上階にて作業をしていましたが、

遠くの方で鳴り響いていた雷鳴が次第に近くなっている事に気づき、

”すぐに作業を中断して、建物の中に非難しよう”と思ったその矢先に、それは起きました。

突然、この世のものとは思えないほどの爆音と激しい閃光が、同時に襲ってきたのです。

その爆音は、耳の鼓膜で聞き取るような音の次元を通り越し、

想像も絶するほどの巨大な怪物が突然現れ、大きな怒りの怒号をあげたかのような音であり、

もしくはそれが、物理的な重ささえも伴うような、そんな巨大な音の塊となって、

空を四方八方バリバリと破り裂き、大地を殴り倒し、耐え切れず、地球が苦痛に顔を歪めた音・・・・。

また、同時に襲ってきたその激しい閃光は、自分の体もろとも、この世の全てを一瞬にして無にし、

天も地も存在しない白一色だけの窒息するような世界へと変貌させた恐怖の眩い眼光・・・・。


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「雷が・・・落ちてきた・・・・僕に。」

と、そう思ったのは、その激しい閃光と爆音のさなか、

体の内部に経験したこともないような衝撃が走り始めた時でした。

帯状のミリミリとした感覚が、頭のてっぺんから胸へ腹へと内部を波打つように走り始めたのです。

まるで帯状に並んだアリの大群が、僕の体の中を前へ後ろへ、前へ後ろへと縫うように

ザワザワと行進していくような感じにも似ていました。

あの閃光と爆音で、僕は床に叩きつけられたか、または吹き飛ばされたような気もするのですが、

その波打つ感覚を感じている最中は、直立の状態だったようにも記憶しています。

もしかしたら、体が硬直して全く動けなかっただけなのかもしれませんが・・・・。

「・・・・落雷。今、体の中を電撃が走り抜けている・・・・」

かつて子供の頃に見たアニメのよくある感電シーンを一瞬思い出した。

髪はチリチリに爆発ヘアーとなり、体は透けて骨が点滅するように見え隠れし、

全身が黒焦げになったあの姿を。

だが、不思議な事に体は引きつって硬直した感覚はあったものの、

痛いとか苦しいとかといった感覚は、全く感じませんでした。

そればかりか、その波が通過していく様子を心の中で冷静にしっかりと実況中継できたほどです。

その波打つ感覚は、文字通り走り抜けるようでありながら、とてもゆっくりと

穏やかな感じで内部を伝っていくような感覚でもあったのです。

一見、落雷というのは、瞬時の出来事のように思われるのだが、

その状況は、相当に長い時間を要したように思われました。

「はたから見れば悲惨な死に方かも知れないが、当の本人からしてみれば、

その見た目とは裏腹に、痛みや苦しみを通り越して、麻痺した先の穏やかさといった

感覚に包まれながら、ゆっくりと流れる時間の中でだんだんと生と死が交じり合い、

やがて生のフェードアウトを静かに迎えるものなのかもしれないな・・・・。」

「自分は今まさに、その最中にちがいないのだろう・・・・」
                 
                    ※

                    ※

                    ※

やがて遠くの方から、その一瞬に圧縮された長い長い時間の終わりを告げる声がした。

「雷が落ちた!!」

足場に上って作業をしていた職人たちの声だった。

生きている人々が暮らす世界の音は、死んだ者の耳にもちゃんと聞こえてくるものなのか・・・・。

建物内の照明関係は全て落ち、暗雲立ち込める空の暗さも手伝って、

昼と夜とが交じり合ったような、不気味な薄暗闇の中を鋭い緊張が走りぬけ、

現場は一時騒然と化した。


(※落雷の瞬間の映像(外部からの拾い)。再生の際には音に注意!見る人によっては、
  非常にショッキングに感じる映像かも知れません。尚、この映像が本物かフェイクかという
  事については、僕には判断しかねますが、落雷の瞬間の様子は、自分が遭遇したものと
  とてもよく似ています。ですので、補足的な意味合いを兼ねてこの動画を添付しました。)

追伸: RobertColeさんをはじめご来訪の方々、どうもスミマセン!一昨日の記事は、
    書き途中のものを手違いでアップしてしまいました・・・・。
    とんだ慌て者で申し訳ないです^^;!
   

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niki

すごい経験でしたね!!
でもでもでも、生きていてよかったです!!!
by niki (2011-09-15 00:56) 

t-youha

niki さん、こんばんは~。

はい、実は僕は幽霊なんです。「幽霊が書くブログ」なんてものが世の中に
一つくらいあっても・・・・な~んてオチは多分ないと思いますが^^何故だか不思議と生きています☆”

by t-youha (2011-09-15 01:16) 

扶侶夢

壮絶ですね~。
私も大きなものでは二度ほど“死にかけ”の経験がありますが、それほど壮絶なものではないです。

それにしてもt-youha さんは何かの運を“持ってる人”かも知れませんね。
by 扶侶夢 (2011-09-15 17:45) 

t-youha

扶侶夢さん、こんばんは☆

どうなんでしょうね~^^。
何かの運を持っていると言われれば、雷と直面出来たことも生きていたことも運が良かったからなのかなぁとも感じますし、突き詰めれば、あの状況に出くわす事を自らが望んでいたようにも感じます(おかしな話ですが^^;)。
あの一件は確かに壮絶なことなのかもしれませんが、人が“死にかけ”の状態に陥る様々なシチュエーションには、ある意味差はないとも感じます。
ただ単に死を感じることが必要だったのかもしれんません。

by t-youha (2011-09-15 23:36) 

扶侶夢

>突き詰めれば、あの状況に出くわす事を自らが望んでいたようにも感じます

>ただ単に死を感じることが必要だったのかもしれんません

…いや、全く同感。^^)
恐ろしいくらい同じような考えをしてました。

以前にも同じようなこと話した気がしますが、何しろ眠りの境界を見たくて眠らずに起き続けていたバカな奴ですから…あれっ?もしかしてt-youha さんも似たような事していたんでしたっけ?(笑)
by 扶侶夢 (2011-09-16 00:09) 

t-youha

あらららぁ~、素敵なことを思い出してしまいましたね~☆
はい^^確かに。
僕もバカなヤツですからぁぁぁ~♪
バカはバカなりにあれから少しは賢くなれたのでしょうか・・・・
あぁ~><、でも、扶侶夢さんには、かなわないです!・・・☆
え?何が?^^えへへ
僕はムッツリなバカで行こうかなぁ~、今さら隠しても無理でしょうか?
そうだ!真剣にオバカに生きよう!扶侶夢さんがいてよかったぁ!


by t-youha (2011-09-16 00:51) 

扶侶夢

お邪魔しま~す。m(_ _)m

3年ほど前の事ですけど…2週間ほど入院生活していた時、隣の部屋に『手に落雷を受けた男性』が居ました。
自分の船を所有している人なんですが、船上で操縦かんを握っている時に被災したそうで、手がザクロのように破裂状態だったようです。(ゲゲッ!)病院ではそれなりの処置をされて包帯に巻かれていましたが、それでも痛々しい感じは見て取れました。
t-youha さんは、その後のタラウマみたいな後遺症はなかったですか?何らかの影響は残りましたか? …ま、ワクワクしながら(失礼?)後編を待ってます。
by 扶侶夢 (2011-09-18 17:15) 

t-youha

扶侶夢さん、こんばんは☆

二週間といったら、それもまた小さな入院ではないですね(・・)

~落雷に関して、自分の場合は、とても不思議な能力が身に付きましたね。辞書を瞬時に丸覚えできてしまったり、学んだ事のない外国語がなぜだか理解できでしまったり、挙句の果てにはこの世の正体というものを知ってしまいましたよ・・・・

な~んて、そんな後日談でもあれば、話は盛り上がるのでしょうけどね^^)
ドラマチックな変化は何一つありませ~ん><
まぁ、その後の人生に大きく左右しそうな影響は、自分の内面において少なからずありましたが☆後編にてその辺の事もいくつか書いてみますね☆
by t-youha (2011-09-18 23:56) 

shio

おはようございまぁ~す♪
まぁ!t-youhaさん神様にスイッチを入れられたのね!
その時屋上に居たのは運命だわ・・・
死ぬほどの思いをして生きていると言う事は新たな道を歩きなさいと
言う事ね♪でもそんな激しいお知らせの仕方しなくてもね~^^;
でも・・・t-youhaさんは重要人物ね!だって一瞬にして天と地を繋いだのには間違いないわ^^
その時見えた物・・・興味深々(笑)
あっ!いけない!私はまだ旅の途中なの~♪♪♪
by shio (2011-09-20 08:16) 

t-youha

shio さん、こんばんは☆
・・・って、わおぉ~驚き~^^)!shio さん元気ですか?
なんだかうれしいなぁ~♪
ブログ訪問しましたよ。寂しい・・・と思うのは、まだまだ自分に足りないものがあるからなのかなぁ?旅人には笑顔で力強く手を振って応援したい。
今度、HPに遊びに行こう☆うん、だから寂しくはないんだな。

~そうかぁ。自分は、神様にスイッチを?だとしたら、見るに見かねて・・・・かも。コイツはガツンと一発お見舞いしないと途方も無いほどの分からんチンのままだと思ったに違いない^^;それがshio さんの言うとおり、自分の運命でもあるのでしょう。自分はその通りにあの日あの場所にいたんです。運命に対しては、けっこう素直な僕です^^)/(って、逆らえないのが運命ならば、素直に従うもなにもないんですけどね☆)
>一瞬にして天と地を繋いだ~
すごくドキっとしてしまいました。天と地を繋いだだなんて、”なんてカッコイイんだろうオレ!”と、思わず心酔してしまいそうな自分がいたのですが、それこそが僕の分からんチンの分からんチンたる所以なんです。天と地と繋がっていた一瞬には、心酔する余地も世界を飾り立てて美化する必要もなかったでしょ?というのが、神様に教わったことの一つのように思います。・・・・なのになぁ~。
あれ?ひょっとしてshio さんって、あの時の神様じゃ?でなきゃ使いの人?・・・・えぇ~っ!まずいじゃんよ~!(><)

by t-youha (2011-09-22 03:41) 

shio

今晩は~☆return~♪
わぁ!嬉しい^^長いお返事♪
あっ!そうそう!言い忘れたわ^^
私の身体からはね、無数の糸がでているのよ!
まぁ~殆どが途中でキレているのだけど~(汗)
太いのやら細いのやらねじれた物とか絡まったものとか^^;
でね!ある日ここにたどり着いたのね♪
だから寂しくはないわ^^繋がってるのよ♪
それにここに来るのは人生の楽しみの一つになってる♪~
だから~修行はサボらないでね!(笑)

by shio (2011-09-22 18:31) 

t-youha

shioさん、おはようございます♪

僕は、日々生活する中で感じた事をこのブログを通して書き(描き)記してきました。そしてそれが、shioさんの発する無数の糸のうち、大切な何かが通い合う生きた糸のひとつとして繋がっているのであれば、修行もなんのその。時として、見えないものが、見えるものよりも豊かで、優しく、そしてたくましく明日に向かっていくエネルギーになることを改めて感じました。

~今日、玄関を出ると足元には寿命を迎えたコガネムシが、頭上には大きな雲が、ゆっくりと風に乗って流れて行くのが見えました。
あちゃ~っ!何をぼ~っとしとんねん。遅刻!遅刻!ダッシュで修行に行かなきゃ~ぁぁ!えへへ^^;
by t-youha (2011-09-24 11:25) 

RobertCole

落雷の直撃・・・ご自身の実体験だったんですね。
ご無事で何よりでした。
同様の体験をされた方には失礼になるかもしれませんが、非日常の体験ってある意味素敵なことだと思います。
それがないと日常と非日常の区別が出来ないですから。
きっかけはなんであれ、非日常を知ってしまった時点で日常のありがたさを知り、同時に日常の退屈さを知る。
今の自分はその差に揺られながらソレを味わいながら生きているようなものです。
後編、楽しみです。
※お気遣いのコメント、ありがとうございました。
by RobertCole (2011-09-25 09:29) 

t-youha

RobertColeさん、こんばんは。

>今の自分はその差に揺られながらソレを味わいながら生きているようなものです。

今の自分なら、そのような表現にピンとくるものがあります。
ぼくの場合は、ちぐはぐな面が多く”その差”に揺られるブレ幅が非常に大きいかもしれませんが・・・・^^;
しかし、確かに言える事ですが、揺さぶられてしまうようなシチュエーション数は年々減ってきています。とは言いつつも、減った分だけ新たな”その差”を見てしまう事が増えてる気もします。
ブレ幅は大きいですが、”味わう”という事の大切さは少しずつわかってきたように思います☆
by t-youha (2011-09-30 02:28) 

gillman

いくつになっても雷は怖いです
by gillman (2011-09-30 13:47) 

t-youha

gillman さん、おはようございます。

はい、自分も雷は色んな意味で怖いです。
あまりにも派手なのでビックリしてしまいます。
落雷に遭ったからといって、慣れるものでもありませんね。

by t-youha (2011-10-01 09:53) 

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